藤はなの窓
Column

2019.4.1
平等院にとっての平成とは

庭園整備.JPG

平等院にとって平成は、「修理の年号」といってよいでしょう。
平成2年、庭園整備の試掘を始めたときから約30年間の修理がはじまり、いよいよ最終に近づいてきました。

30年掛けて何をしてきたのかというと、現在歩いて頂く事が出来る庭園の平安時代的な整備、
本尊や雲中供養菩薩さま方の美装や剥落止め、堂内壁扉画の剥落止め、鳳凰堂の屋根瓦葺き替えや再塗装、金工修理などですが、最も大切なことは継続的なメンテナンスによる恒久的な保存と活用です。そのために科学的調査を積み重ねてきました。
失敗もありましたが、それを修正しつつ現在までつなげています。

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過去をノスタルジックに美化する傾向をよく見かけます。
古きよき○○など。
それらは、手に入らなかったがゆえに思い出がよい方向に過大になっている場合もあるようです。
たとえば、 「三丁目の夕日」の時代には、
多くの少年犯罪や戦争遺族等に苦しんでいたことが指摘されています。

平成はどうでしょうか。

私達は、過ぎ去った時や過ぎ去りつつあるもの、過ぎ去らなくてはならないこと、それを越えて生きていきます。

『法華経』には過去現在未来のことを「已今当」と示し、のちの学僧らは「今」を中心に生きていくことを中心に伝えます。
清濁こだわらず、今に活用し、知的に愉しく時間を歩んでいく方法も探してみませんか。(文・神居文彰)

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