藤はなの窓
Column

2018.7.21
鳳凰

DSC_4224ps.JPG鳳凰は、瑞鳥として古くから尊ばれてきました。

日本で屋根上に鳳凰が単独で飾られるようになったのは平等院からです。
文字の類似でおわかりのように、古代では風の神として信仰されていたようです。

今回の平成修理で鳳凰堂大棟の鳳凰は当初の金色に復元されました
鳳凰堂で躰が金色に輝くのは本尊阿弥陀如来と鳳凰だけです。

よく言われる「鳳」が雄で「凰」が雌というのは後世の俗解で、元々、鳳凰という一つの単語・呼び名でした。

この優美な鳥とは別に、鳳凰堂の堂内には、
咋鳥という花枝をくわえる鳥が多く描かれています。
いずれも生命の生長を鼓舞する文様で、ヨーロッパのフェニックスや
ノアの箱舟にオリーブや宝玉を咥えて戻ってきた鳥と、図像的な関連が指摘されています。

鳳凰とそれにかかる雲を拝しながら生命の生長を感じたいものです
(文・神居文彰)

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