平等院は、1994年に国内5件目のUNESCO世界遺産、「古都京都の文化財」として登録され、すでに30年が経過しようとしています。
さらに本年は国際博覧会の開催を迎え、世界中から多くの人々が日本を訪れ、新しい文化的、科学的なものに触れ、それらの根源である名所旧跡を巡ることにもなるでしょう。
本展では、文化財が人類共通の遺産であるだけではなく、古くから日本人にとって旅や巡礼、さらに出開帳や博覧会によって、神聖なもの、探求するものとしてあった点に注目し、初公開資料を含めて展示します。
第Ⅲ期では「平等院への旅ー近世平等院と観光のきざしー」をテーマに展示します。
平等院は平安時代から連綿と続く美と信仰の場として知られていました。また、周辺には西国三十三所霊場の札所があり、巡礼者が足を伸ばして平等院を参拝することもありました。江戸時代中期になると出版が盛んになり、平等院の記述や絵図が刊行物として広く紹介され、参拝の手引きとされました。また、江戸時代の平等院では境内図や鳳凰堂色紙形模写などが制作され、それらは当時の平等院の寺勢を伝え、古筆への憧れを伝えています。このような近世平等院への人々の関心の高さから、人が旅に何を求め何を受け止めたのかを、初出品作品を含めた展示をとおして探りたいと思います。
平等院境内図浄土院本 江戸時代初期 平等院浄土院蔵
平等院鳳凰堂色紙形写 寛永11年(1799) 平等院浄土院蔵
華籠 承応2年(1653) 平等院浄土院蔵
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